隣の殺人鬼
松岡主任はエレベーターに乗り込むと俺の肩に手を乗せる。
「いいか鳥越君。
あの女に決して飲み込まれるな。
君は自覚がないかもしれないが、君には人を惹き込む、一種の才能がある。」
「ちょっと、どうされたんですか?
急にお世辞はやめてくださいよ。」
「いいや、だからこそ磯村課長も城島課長も君の事を買っているんだろう。
この前の飲み会では“大野のほうが仕事が出来る”と言ったが、俺は間違っていた。
あの牛島課長を黙らせるほどだからな。
先程の君を見てそう思った。」
・・・・・言ってくれてる事はめちゃくちゃ嬉しいんだけど、何だか実感が無い・・・。
「青木はいつか・・・鳥越君に脅威を感じて、君の前に立ち塞がる。
昔から“出る杭は打て”って言葉があるだろ?」