隣の殺人鬼



5Fに着き、ようやく営製管理のフロアに戻ってきた。

「とにかく、あの女には気をつけろ。」

松岡主任は最後にそう言い残して2課に戻っていった。



・・・・そんな事言われてもな・・。


松岡主任は青木さんの事を勘違いしている。

多分・・嫉妬から来るものだろう・・・。






自分の席に戻ると、隣の席の青木さんが作業の手を止めて俺に缶コーヒーを渡してくれた。


「お帰り。」


「青木主任、先程はありがとうございました。」


「ごめんね、私があそこに行ったら松岡主任が怒るだろうなって思ってたけど・・。」


「いえ、めちゃくちゃ助かりました。
コーヒーもご馳走様です。」


「可愛い後輩の為には、いてもたってもいられなかったから。」




俺だって馬鹿じゃ無い。

だから分かる。
これは本心から言ってくれている言葉だ。



「そうだ、ちょっと分からないことがあったので青木主任が帰ってくるまで保留にしていた案件があるんです。」


「うん。分かった、どれどれ・・。」




俺が気をつけなきゃいけないのは、松岡主任の方かもな・・・。





第6話 完

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