【漫画化作品】白昼悪夢〜引きずる老婆
「……ハア〜、」
畳に座布団を三枚並べ、タオルケットをかけて私は仏間に横になっている。
線香のにおいがキツいけど仕方ない。
親戚が多く集まる家で空いている部屋はここしかなかったのだから。
「…………」
少し仏壇は怖いけど自然に瞼が下りてくる……
枕にしているタオルに巻いた保冷剤が気持ち良くて私の眠りを誘っていた。
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「……う、ん……」
それから、どのくらい時間が経ったのか……
妙な息苦しさに私は目をあけた。
……なんだろう……
変に気持ちがそわそわする。
圧迫感というか、誰かに見られているような……
まだぼーっとする頭と霞んだ目で視線をぐるりと一周させる。
「 ! 」
視界の端に白い人影が映りこんだ。
……だれ……?
瞬く間に意識がはっきりする。
「……っ、」
確かにいる。
縁側の向こう端にお婆さんが座っている。
お婆さんは顔が見えないほどにうつむき、白い着物と同じ長い白髪をバサリと床に垂らしていた。