甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
「…や、やだよ!退いてよ大くっ……んっ!」
どれだけ暴れても大くんにいとも簡単に両腕をベッドに縫いつけられ、そのまま噛みつくように唇が重なった。
あの夜にされた優しくて長いキスとは正反対の食らいつくようなキス。
体を動かしても捩る程度しかできなくて、でも大くんの甘いキスに体は痺れて動けなくなる。
息をすることを忘れて獣のようなキスをされてしばらくするとゆっくりと唇が離れた。
「……ハァ…ッ……ハァ……」
悔しいのか悲しいのか訳の分からない涙が目から溢れ落ちる。
どちらのか分からない唾液で濡れた唇と息の上がった大くんが異様に妖艶で全身が熱くなる。
私が動けないことをいいことに大くんは私の頬に触れてまた顔を近付ける。
「……俺はゆあと出会った時からゆあを妹として見てなんかなかった。好きなんだ。
母さんと親父が離婚してゆあと離れて、この気持ちは薄れていってなかったものにしようと思った。
でもゆあと再会する前に一度日本に来て、たまたまゆあを見かけたことがあった。
高校生になって前よりも綺麗になったゆあを見て、この気持ちがもう抑えられなくなっていた」
「……っでも……私達は…っ」
「分かってる。
俺達は決して結ばれることのない兄妹だって。
分かってるのにゆあが欲しくて、俺だけのものにしたくてたまらないんだよ……っ」