甘い初恋は、イケナイ最後の恋。




私を力強く抱き締める大くんの腕が震えている。




自分の気持ちと自分が置かれた立場と葛藤してきた大くんをつい抱き締めたくなって腕を大くんの背中へと伸ばす。




でもこの腕を大くんの背中に回してしまったらこの"兄妹"という関係が崩れてしまう。




私の腕は大くんの背中に回ることはなく、天井に向かって伸ばしている状態になった。




しばらく私を抱き締めた大くんは再び顔を上げて真っ直ぐに私を見つめる。




「……もしゆあが俺と同じ気持ちで気持ちに答えてくれるなら、この気持ちはお前が最初で、最後だと誓う。

いや、答えてくれなくても同じか。
……俺はゆあ以外を愛するのも、ゆあ以外から愛されることもないと誓う」


「……っ!」




やめてよ。
そんな真剣な目でそんなこと言わないでよ。




大くん、それを言う相手間違ってるの分かってる?




私、大くんの妹だよ?
妹に愛するなんておかしいよ。




おかしいのに私はなんで……すぐに否定できないの?




私は大くんを男の人として愛してないって、どうしてすぐに言えないの?



< 111 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop