甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
夜11時。
「お疲れさまでした!」
居酒屋のバイトが終わると急いで更衣室のロッカーを開ける。
スマホを取り出せば、スマホにLINEの通知が来ていた。
『着いた。待ってる。』
たったこれだけの内容なのにすごく喜んでる自分がいる。
LINEの受信時間を見ればもう30分前だと気付く。
「え!早くしないと!」
慌てて着替えて更衣室を出ると、これから更衣室に向かう店長とアルバイトの先輩がいた。
「おぉ、結愛ちゃん。今日はえらい着替えるのが早いね~」
「はい!人を待たせてるので!」
店長と先輩の前で止まり、乱れた前髪を手で直す。
慌てた様子の私を見て店長は何か思ったのかニヤリと笑った。
「ははん、さては彼氏が待ってるんだな~?青春だね~」
「え!?彼氏!?結愛ちゃんまじなの!?
オレ結愛ちゃん狙ってたのに~」
「同棲してる彼女がいるくせに何言ってんの、お前は」
「店長!オレの彼女の話聞きたいんスね!
いいっすよ~!語りますよ、今日のオレは」
先輩の彼女話は長くなることで有名なので、私は先輩の相手を店長にお願いして店を出た。