甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
空いたテーブルを片付けていると来客を知らせるベルが店内に響いた。
「いらっしゃいま……あ、」
「よ、ゆあ。頑張ってるか?」
「ひ、大くん!?」
店に入ってきたのは大くんだった。
バイトのお迎えに来ることはあっても、バイト中に店に来ることなんてなかったから。
驚いてついバイト中ということも忘れて名前を呼んでしまった。
そんな驚いた私を見て大くんはクスッと笑って、人差し指を立てた。
「一人です。タバコは吸わないので禁煙で」
大くんの笑顔がちゃんとバイトをしろと言ってるようで、私は返事をして大くんを席に案内する。
「いらっしゃいませ。ご注文お決まりでしたらボタンを押してください」
大くんの席に水を持って行き、気になっていたことを小声で聞いてみた。
「…バイト中に来るなんてどうしたの?」
耳の近くで囁けば、大くんも今度は答えてくれた。