甘い初恋は、イケナイ最後の恋。




「テスト近いから、ゆあの働きぶりを見ながら勉強しようと思って」




テスト。
この単語に私の表情は自然とひきつる。




大くんテスト近いんだ、大変だね。




なんて他人事じゃない。




実は私もテストが近かったりする。
バイト三昧に明け暮れてる暇はないはず。




翔も図書委員の仕事しながら勉強してるって言ってた。




『結愛は今回何点で再試になるんだろうね?』


なんて嫌みを添えて。




あの歪んだ性格はどうやったら直るんだろう。




ムカついたから今回こそは翔をギャフンと言わせようと心に決めたものの。




結局いつものようにバイト三昧で、勉強が手につかない状態になってる。




勉強はどうしてもどう頑張っても出来なくて、翔に泣きついて前々日ぐらいに教えてもらうのがオチ。




「…ゆあもテストあるんじゃないのか?」


「え!あ、いや~…」




なんて言うのが正解なんだろう。
「実はそうなんだ~」って軽い感じで言えば「バイトしてる場合じゃないだろ」なんて怒られそうだし。




というか返事を渋ってる時点でテストあるのバレてるんじゃ……



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