甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
「…勉強、おにーちゃんが教えてあげようか?」
前で握っていた手を優しく撫でられる。
大くんの笑みはいつもとは違ってなんだか色っぽくて、見てるとこっちが照れてしまう。
でもその笑みを気にしてる余裕はない。
「ほんとに!?教えてくれるの!?
ぜひお願いします!」
大くんの色っぽい笑みよりも、今は翔を倒せるんだと考えれば脳内は打倒・翔となるわけで。
勉強するのはやだけど、教えてくれるのは大くんだし、今回こそは翔を倒せると考えれば考えるほど燃えてくる。
「じゃあ、居酒屋のバイト終わったら俺ん家行くか」
「うん!分かった!」
勉強頑張ってねと一言添えて、バイトに戻る。
大くんの家か~。
確か一人暮らししてるって言ってたよね。
…ん?一人暮らし…?
パフェを作る手が止まる。
なんでだろう。
なんだか急に緊張してきた。
別に彼氏の家に行くわけじゃないのに。
お兄ちゃんの家に行くだけなのに。
それなのにどうして。
どうして最近よく見る小さい頃の夢を今、思い出すの……?