甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
あーだこーだと考えてるうちに大くんの家の前に来てしまい。
大くんは鍵を出してドアを開けようとしてる。
もうこうなったら男の人の家という考えを捨てて、お兄ちゃんの部屋にいく考えで行こう!
そうだよ。
大くんは私のお兄ちゃんなんだから、そんな緊張することないんだ。
私と大くんはただの兄妹なんだから。
ズキ……
なんで。
なんでただの兄妹だと考えると胸が痛むの?
『…ゆあ、約束だよ?』
どうしてこんな時にあの王子様を思い出すの…?
「…ゆあ?入らないのか?」
「…っ!?」
大くんの言葉で我に返って顔を上げれば大くんがあの時の王子様と重なって見えた。
この感じはなんだろう。
「…ゆあ?具合でも悪いのか?」
私の顔を覗き込んで、心配そうな表情で私の頬に手を添える大くん。
これ以上、大くんを心配させちゃダメだよ。
「あ、ううん!全然大丈夫だよ!
私は元気が取り柄だから!
お邪魔しまーす!!」
なんでもない素振りをして大くんの家に入る。
大くんが怪しむように私を見ていたことは気付いてないフリをして。