甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
大くんの部屋は必要なもの以外置かれていない、といったシンプルな感じだ。
そして何より…
「意外とキレイ…」
「意外とってなんだよ」
「いたっ!」
つい口から出てしまった本音に、大くんに頭を軽く叩かれた。
中へと促されて、テーブルのところにある座布団に座る。
家具の色調はモノクロで、初めて入ったのになんだかすごく落ち着く。
それに部屋からは大くんの匂いがして、大くんに包まれているようなそんな感覚に陥る。
ってなんか変態みたいなこと言ってる!
邪念を頭の中から消し去ろうと、勢いよく頭を横に振る。
「何やってんだ?ゆあ」
「へ、あ、大くんいつからそこに!?
あ、てか何でもないから!気にしないで!」
いつの間にか戻ってきていた大くんに見られてしまった。
すごく、のレベル以上に恥ずかしい。
湯気の立つマグカップを両手に持って、私を怪しむように見ながらも大くんは私の隣に座った。