甘い初恋は、イケナイ最後の恋。




「ひーくん!おんぶ!おんぶして!」


「ゆあ、自分のあんよがあるんだから少しは歩かないと……」


「えー!ちゅかれたもん!もうあるけない~!」


「…もう、しょうがないな」


「やった!たかいたかい!ひーくんだいすき!」




最初は自分の足で歩けと反対するけど、潤んだ大きな瞳で見つめられるといつもすぐに負けてしまっていた。




でもおんぶしてやるといつも"大好き"って言ってくれるから、それが大にはとても嬉しくて。




だから甘えられれば大はすぐにおんぶしていた。




歩き疲れたというのが嘘だったとしても、結愛が"大好き"と言ってくれるならそれで良かった。




(…今思えばとんだ甘々兄ちゃんだよな。
ま、今もそんな変わんないか。)




結愛が喜んでくれるから、どれだけ忙しくてもバイト先まで迎えに行く。




結愛が喜んでくれるから、大学の勉強があってもテスト勉強を教える。




全ては結愛の喜ぶ笑顔のため。



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