甘い初恋は、イケナイ最後の恋。




結愛の家に到着。
夜遅いためインターホンを押すのを躊躇うが、結愛の鞄をあさって勝手に入るのも不法侵入になる。




心の中で謝りながらも大はインターホンを押した。




『…はい。どちら様ですか』




インターホン越しから聞こえたのは男性の声だった。
怪しむような低い声に大は体を揺らして反応してしまう。




「夜遅くにすみません。俺は……」


『大?もしかして大なの…?』


「…っ…母さん?」




自分のことを述べようとした途中でインターホンから聞こえた女性の声。
長らく聞いてなかった声だったが、大はそれがすぐ誰なのかが分かった。




大が答えるとインターホンから機械的な音がしてスイッチが切れた。




すると家の中から走ってくる足音が聞こえて来て、勢いよくドアが開く。




息を切らした茶髪の女性、結愛の母親・明子は大を見ると涙目になりながらも微笑み、大に抱きついた。




明子を受け止めながらも家の中を見れば、男性がこちらを見て微笑んでいた。




大はその男性が明子の再婚相手だとすぐに気付く。



< 40 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop