甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
明子は大の幅があり抱きつきにくいと思い、大の背後を見る。
大の背中には結愛が熟睡していた。
「結愛!?まさかどこかで倒れて……!?」
「いや、俺を待ってたらバイト先で寝ちゃったらしくてさ」
「わざわざ大がおんぶしてきたの!?疲れたでしょ?あがりなさい」
明子は玄関のドアをいっぱいまで開けて、大を家の中に招く。
大は小さな声でお邪魔しますと言って結愛の家に入った。
ひとまず結愛を寝かせるために明子に案内されて、結愛の部屋に向かった。
結愛の部屋の中は可愛いぬいぐるみや雑貨で埋め尽くされていて、可愛いもの好きなのは昔から変わらないと笑ってしまった。
結愛をベッドに寝かせると大はベッドの横にしゃがんで、結愛の額を優しく撫でる。
「…ゆあ、また明日な」
眠る結愛に微笑むと、大は静かに結愛の部屋を後にした。