甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
大くんに付いていくと着いたのはいつも来ていた大くんの家。
大くんは私の手を握ったまま家の鍵を開けて、そのまま家に入る。
そこでやっと大くんの手が離れた。
「適当に座ってて。お茶淹れてくるから」
「う、うん…」
いつも座ってる座布団に腰を下ろす。
確信ではないけど、大くんの話したいことが分かってしまって怖い。
大くんの手が離れた時から、手の震えが止まらない。
必死に手の震えを止めようとスカートをギュッと力強く握っていると、お盆の上にお茶の入ったマグカップをのせて大くんがやってきた。
私の前に置かれた私専用の可愛い猫のマグカップを手に取り、ひとまず熱いお茶を一口飲んだ。
私がお茶を飲んだのを確認して大くんもお茶を飲んでいた。
「め、珍しいね!大くんが私にお茶淹れるなんてさ!
いつもホットミルクなのに」
「あー、丁度牛乳なくてさ。買いに行くのも忘れてたんだ」
「そうなんだ。
大くん相変わらず抜けてるところあるよね!」
アハハなんて面白いことでもないのに、無理やりに笑う。
ただ話したくなかった。
違う話で盛り上がって、逃げたかった。