甘い初恋は、イケナイ最後の恋。




「…十年も離れてたんだ。
俺はゆあのこと何も分からないし、知らない。

だからゆあが教えてくれないと、伝えてくれないと俺には理解してやることも支えてやることもできない。

ゆあ、教えて?
お前のこと、お前が思ってる本当のこと」


「…っ……ずるい、ずるいよ…大くん」




そんな風に言われたら言わないわけにいかないじゃない。




あーあ。
せっかく家を出るまで我慢してようと思ったのに、涙が出てきちゃったよ。




止まらない涙と共に、溢れだした想いも止まらない。




「…最初はね、私だって頑張ったんだよ?
血の繋がってないお父さんだけど、家族なんだから仲良くなろうって」


「…うん」


「でも結局二人とも仕事ですれ違って、毎晩ケンカしてた。
"行ってきます"って言えても"ただいま"って言えなかった」




大くんは相槌をうち、私の目から流れる涙を拭いながら話を聞いてくれている。



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