甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
優しく頭を撫でてくれる大くん。
その優しさに小さい頃に出会った"王子様"を思い出す。
「大くんがあの王子様だったらいいのにな……」
「…?王子様?誰だそいつ」
独り言で言ったつもりだったのに大くんには聞こえていたらしく、首を傾げて聞き返してきた。
「あまり覚えてないんだけど、小さい頃にある約束をした人がいるの。
すごく優しくて大好きだったから私が勝手に王子様って呼んでるんだけどね?
あの時は私の気持ち伝えられなかったから、私が探してあの時言えなかった気持ちを伝えるって決めてるんだ!
とは言っても王子様の顔と名前すら覚えてないんだけど」
「…そう、か……」
大くんは一瞬目を丸くして、私の話を聞いていた。
でもすぐに微笑んで再び私の頭を撫でる。
「見つかるといいな、ゆあの王子様」
「うん!」
私は笑顔で頷くと大くんに手を振って大くんの家を後にした。