甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
3話 雨
ピピピッ…ピピピッ…ピピピッ……
スマホにセットしたアラームが部屋中に鳴り響く。
「…ん、……」
やっとのことでアラームを止めて、そのまま手をベッドに下ろす。
いつもより早い時間のせいで目がなかなか覚めない。
起きないと。
家族と向き合うって決めたんだから。
覚醒しない体を無理やり起こす。
目を擦りながら部屋に置かれてる全身鏡の前に立つ。
久しぶりにぐっすり眠ったせいか、寝癖がひどい。
髪の毛を手櫛で簡単にとかして、一回の洗面所へ向かう。
洗面所で顔を洗っていると聞こえてくるのはお母さん達の声。
楽しそうな声の中に突然私が来たらどうなるんだろう。
怖い、怖いよ大くん。