甘い初恋は、イケナイ最後の恋。




違う。
嫌だったんじゃない。




ただ驚いただけで、嫌だなんて思ってない。




どうにか撤回しようと考えたら、私の方に伸びていた学さんの手を握っていた。




「あ、あの!学さんも……気を付けて行ってきてください!」




これでもかというくらいに学さんを見上げる。




学さんは自分の握られている手を見た。
私の手が震えているのに気付いたかもしれない。




「ありがとう。結愛ちゃんも無理しないでね」




空いている反対の手で頭を撫でられた。




小さい頃によくお父さんや大くんに頭を撫でられたことを思い出す。




血の繋がってないお父さんだけど、小さい頃に頭を撫でられた時のような暖かさを感じた。




私が朝食を食べている時、学さんは仕事に、芽依ちゃんは保育園に行った。



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