甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
見送りに行っていたお母さんがリビングに帰ってきた。
「お母さん、仕事は?」
「今日は休みなのよ」
テーブルを挟んで私の向かいに座ったお母さんは頬杖をついて微笑んだ。
「驚いたわ。
いつも家を出るギリギリに起きて朝食も食べずに行くのに、早く起きてきて学さんと芽依に挨拶して私の朝食を食べるなんて」
お母さんは淹れてあったお茶を飲んで、また私を見つめる。
朝食を食べ終わって箸を置くと、なんたか照れ臭くてお母さんを見れなくて空になった食器を見る。
「大くんが昨日話してくれたの。
お母さんが私のこと心配してるって。
それ聞いたら私も向き合わないとと思って。
血が繋がってなくても、半分しか繋がってなくても私の家族に変わりはないんだから…ね?」
「結愛……」
私の言葉に涙目になってるお母さんを見て、なんだか恥ずかしくなってごちそうさまと言って着替えに部屋に戻った。