甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
いくら早上がりにしてくれたとはいえ世の中は土曜日。
飲み会で居酒屋が混むのは当然だけど、それでも店長はほぼ時間ピッタリにあがらせてくれた。
でもこれで着替えて店を出て、集合のレストランまで走ればギリギリ間に合うといった感じ。
急がないと…!
慌てて着替えて店を出る。
今回学さんが予約してくれたレストランは行ったことのない店だったためスマホの地図を頼りに走る。
方向音痴なうえ、空に近い頭をフル回転させて地図を読み取る。
細い路地に入り次に曲がるところが分からなくなり立ち止まる。
「…えっと次はここを曲がれば…ってこっち!?
もうグルグル動くから余計分かんないよー!…ってうそ!?」
スマホを動かして進行方向を探っていたら、スマホに雫が落ちてきた。
ふと上を見上げれば雫は私の頬にも落ちてきた。
あ、雨!?天気予報は明日まで晴れだったのに!
てか芽依ちゃんのプレゼント濡れちゃう!
プレゼントが濡れないように抱えてまた走る。
地図通りに曲がると大通りに出て、プレゼントを買った店が見えた。