甘い初恋は、イケナイ最後の恋。




地図にはこの店の通りをまっすぐ行くと目的地が見えてくるとなってた。




ここを通り過ぎればあとは大丈夫と思って走ろうとした瞬間に、その店から出てきた人達に思わず足が止まる。




「…あれ……なんで…」




仲良く同じ傘に入り、笑顔で手を繋ぐその姿から目が離せない。




店から出てきたのはお母さんと学さん、そして芽依ちゃんだった。




もうすぐレストランの予約の時間なのにどうしてこの店から出てくるの?
この時間ならもうレストランにいてもおかしくないのに。




そんな私にさらに追い打ちをかけたのは芽依ちゃんが嬉しそうに持っているものだった。




…嘘でしょ…嘘だと言ってよ。




芽依ちゃんが嬉しそうに持っていたのは私がプレゼントしようとしたテディベアのぬいぐるみだった。




手から大事に抱えていたプレゼントが地面に音をたてて落ちる。
それを合図にするかのように雨が激しく降り始めた。





プレゼントが被ってしまったのは仕方ないと思う。
でも数多あるものの中から同じものを選んで、それを先に渡されてしまった。




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