甘い初恋は、イケナイ最後の恋。

ふと我に返ると自分がバスタオルで体の前面を隠しているだけの姿だと気付く。




慌てて大くんに背中を向けてバスタオルで涙を拭う。




「ま、まだ着替えてないからまっ……」




バスタオルで体を隠そうとすると背後から腕を引っ張られ、気づいた時には大くんに抱き締められていた。




「ちょっ、大くん…っ！」


「……な」


「え…？」




耳元で聞こえた大くんの言葉がうまく聞き取れなくて思わず顔を上げる。




そこには必死そうな表情をした大くんの瞳に捕らわれる。




「俺がいるのに一人で泣くな…！
……大丈夫だ、ゆあは一人じゃない」


「…っ！……うぅ、大…くん……っ」




背中を優しくさする大くんの手が私は一人じゃないと伝わってくる。




大くんの優しさに涙は止まらず、今度は思いっきり子供のように声を出して泣いた。




私の気が済むまで、涙が止まるまで大くんは何も言わずにずっと抱き締めていてくれた。