甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
ホットミルクを口に含むと温かさが体に染み込む。
熱いホットミルクを飲んでいると隣から視線を感じて隣を見ると、大くんが微笑んで私を見ていた。
「…少しは落ち着いたか?」
「…うん。ごめんね、いきなり上がり込んで」
「気にするな。
……話せるか?何があったか」
大くんの問いかけに私はゆっくりと頷く。
お母さんに連絡した時点できっとお母さんたちと何かあったとは思ってるはず。
私は芽依ちゃんの誕生日に4人で食事をするはずだったが、3人が仲良く歩いているのを見たら辛くなってしまったことをゆっくりと大くんに話した。
「お母さんと学さん、そして芽依ちゃんが私を邪魔者扱いしない人達だって分かってるはずなのに、あの3人で仲良く歩いてる姿を見たらそう思ってるのは自分だけなんじゃないかと思っちゃってさ。
誰かに助けて欲しいと思ったら真っ先に大くんの顔が浮かんで、気付いたら大くんの家に来てた。ほんと考えすぎだよね」
あの光景を見た時は呼吸ができなくなるほど苦しかったのに、今となっては自分が考えすぎだと自嘲するほど落ち着いている。
これもきっと大くんがいるから。
大くんが隣にいるから落ち着いて話せるんだと思う。
マグカップに注がれたホットミルクを見つめていると頭に優しい温もりが乗せられた。
再び隣を見れば、大くんは優しく私の頭を撫でた。