甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
「…どこにも…行かないで……」
ゆあの目から一筋の涙が落ちる。
もしかして離れ離れになった時の夢を見ているのか?
10年前、両親の離婚をきっかけに俺とゆあは離れ離れになった。
でももうあの時のような喪失感は味わいたくない。
俺はずっとお前の傍にいるよ、ゆあ。
お前との約束を果たしにまたゆあの前に現れたんだから。
例え俺の気持ちをゆあに伝えて、ゆあに嫌われたとしても。
「…俺はゆあを愛しているんだ……」
ゆあのぷっくりとした唇を親指でなぞり、そのまま頬を撫でて顔を近づける。
俺はたった一人の最愛のお姫様(ゆあ)に長い口づけをして、寝室をあとにした。
【side end】