甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
「……っ!ハァ…ッ…ハァ、ハァ……ッ」
勢いよく目を開ければそこは昨日と変わらず大くんの寝室だった。
あれ……夢?
速まる鼓動と乱れた呼吸を落ち着かせるように胸元の服を掴む。
昨日のことがあったからあんな夢を見てしまった。
寝たら忘れられる、なんて甘い考えをしてたけど忘れられるわけなかった。
むしろ今でも鮮明にあの感触がまだ唇に残っている。
ほんとにしたんだよね……?
大くんと……キス……
信じられないけど今でも残ってる感触があるかぎりこれは紛れもない真実で。
自分の唇を触ろうとしたら寝室のドアから控えめなノック音が聞こえた。
「…ゆあ、起きたか?」
「…大くん……うん。起きたよ?」
返事をすればドアがゆっくりと開いて私と色違いのスウェットを着た大くんが顔を出した。