甘い初恋は、イケナイ最後の恋。




シャワーを浴びて出ると脱衣場には昨日雨に濡れた服が綺麗に畳まれて置かれていた。




大くん、洗濯してくれてんだ…





服を着ると大くんが使ってる柔軟剤の匂いがして、まるで自分が大くんのものになったみたい。




余計なことを考えないように夢中で髪を乾かして脱衣場を出る。




するとリビングからいい匂いがした。




リビングに顔を出すとテーブルにはご飯や味噌汁といった朝食が並んでいた。




「……美味しそう」


「不器用なゆあよりは腕に自信あるからな」


「わ、大くん!?ていうか失礼な!」




小声で呟いた言葉を大くんは背後からやって来て聞いていた。




大くんは目玉焼きとサラダが盛られたお皿をそれぞれの席に置く。




「さ、食べよう」


「……っ」




お皿を置くと大くんは立ったままの私の頭を撫でて笑った。




ほらまただ。
大くんの行動一つ一つにドキドキしてるの。




私は促されるままに大くんの向かいの席に座り静かに両手を合わせてご飯を食べた。




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