甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
向かいに大くんがいる。
そう思うだけで顔が上げられない。
目が合えば絶対固まっちゃうと思うから大くんの方見れない。
大くんが下を向いてる間に大くんを見ればふと目に入る大くんの唇。
あの唇が私のに……
って何考えてるの私!
自分の考えてることに呆れてため息が出る。
ほんと私、どうしちゃったんだろう。
「……ぁ……おい、ゆあ…!」
「…へ!?な、何!?」
考え事をしていたせいで反応が遅くなってしまった。
「大丈夫か?やっぱりどこか具合悪いんじゃ……」
「わ!そ、そんなことないよ!?
ほら!ピンピンしてるから!大丈夫だから!
それでなんか呼んだよね……!?」
また額に手をあてられそうになって、慌てて椅子を後ろに引いた。
私の焦った様に大くんは怪しいと眉間にシワを寄せたけど、諦めたのかため息をついて近くにあった鞄から何かを取り出した。