男の娘。~絶対秘密の女装アイドル~
どう対応しようか悩んでいると、二時間目の

チャイムが鳴った。

「ヤバい!早く戻らないと怒られる!」

「え~?話の続きは?」

「そんな場合じゃねえ!」

隣でふくれっ面している風見を引っ張る

と、俺は全速力で階段を駆け降りた。


「ただいまー」

良かった。何とか風見に見つかる事なく家

に着いた。

学校にいた時は散々だった。あの話をして

から、3時間目が終わってもしつこくその話

をされた。それでも何とかごまかして切り

抜けたのに。4時間目が終わり帰ろうとする

と「一緒に帰ろう」と付きまとわれる始

末。玄関まで降りた時、風見が「トイレに

行く」と言い出したから抜け出せたもの

の・・・

「お帰り、瑞希」

「親父、ただいま・・・どうしたの?顔赤

いけど」

玄関で靴を脱いでいると、親父がパジャマを

着たまま俺を出迎える。普段のテンション

の高さはどこへやら。人が変わったかの様

に元気がない。
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