男の娘。~絶対秘密の女装アイドル~
「そうかよ」

風見はイスから立ち上がると俺の隣に来て

チラシを覗いてくる。勝手にうちへ上がり込

んでおきながら偉そうな奴だ。

いやいや、それより何食うか決めねえと。

腹の虫が鳴りっぱなしだ。


~1時間後~


インターホンが鳴ったのでリビングに設置

された室内モニターを確認する。ドアの前

にはピザ屋の配達員が立っていた。

「お待たせしました」

ドアを開けると爽やかな20歳前後の男の人

が鼻を赤くしながら注文した商品を差し出

してくる。商品を受け取ると代金を支払っ

た。

「お、ピザ届いたんだな」

ドアを締めたタイミングで風見がトイレか

ら出てきた。俺の元へと駆け寄ると嬉しそ

うにはしゃいでいる。

「何注文したの?」

「とりあえず適当に」

Mサイズのピザが2枚とサイドメニューが3

つ。ピザはオーソドックスにマルゲリー

タ、サイドメニューはオニオンリングと

シーザーサラダ、それからチキンナゲット

だ。
< 29 / 81 >

この作品をシェア

pagetop