男の娘。~絶対秘密の女装アイドル~
俺は我慢出来ず核心に迫る。親父の本当の

気持ちを知りたかった。

「・・・親父、ほんとの事言ってよ」

本当は、親父の言葉を聞くのが怖かった。

もしかしたら俺が思ってる通り「同情だ」

と言われるかもしれない。

「ごめんな、瑞希・・・」

ああ、やっぱり・・・

俺は覚悟した。泣かない様に必死で目をつ

ぶった。

「ごめん、瑞希。今まで寂しい思いをさせ

て」

突然親父に抱き締められる。俺は驚いて目

を見開いた。

「ほんとにごめん・・・反省してる。そう

だよな。俺、今まで仕事ばっかりだった」

「そうだよ、バカ・・・どんだけ俺の事放

置してたんだよ」

「うん、ごめん。全部俺が悪かったよ」

親父は謝りながら俺の頭を優しく撫でる。

一旦は止まっていた涙が再び溢れ出した。

「大丈夫だよ、瑞希。同情なんかじゃな

い。俺はお前を同情心で引き取ったわけじ

ゃないよ」

「・・・ほんとに?」

「ああ、ほんとだよ」
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