男の娘。~絶対秘密の女装アイドル~
「舞花ちゃん、おはよう。今日は体調大丈

夫?」

「はい、すっかり良くなりました。昨日は

すみません」

今日は俺が「体調不良」と言ってすっぽかし

た雑誌取材の仕事。 雑誌記者の厚意で取材

を1日ずらしてくれたから助かった。

「気にしないでいいよ。体調が悪くなるの

は仕方ないからね」

「ありがとうございます」

俺は礼を言った。雑誌記者である三枝(さ

えぐさ)さんの隣には見た事もない綺麗な

女性が立っている。ついつい見惚れてしま

った。

「じゃあ座ろうか。どうぞ」

俺は一礼をすると促されるままイスに腰掛

ける。ここは芸能人の雑誌取材や写真撮影

でよく使われている都内の目立たないスタ

ジオ。夜になるとよく心霊現象が起きるらし

い。しかし今は昼なのでさすがにそんな事

はなさそうだ。

「あの、三枝さん・・・隣の方は?」

「ああ、紹介が遅れたね。この人は女性フ

ァッション雑誌『Purely』の担当編集者だ

よ」
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