男の娘。~絶対秘密の女装アイドル~
立ち上がって深く頭を下げる。

その瞬間、再びバシャバシャとみんながカ

メラのシャッターを切り始めた。俺はよう

やく真実を言えた事で涙を流していた。

「あっ、ちょっと!」

俺は顔を上げるとウィッグもネットも置い

たまま会場を後にした。ロビーから出ると

準備万端という感じでおじさんが待ち構え

ている。


「ま、お前にしちゃよくやったな」


おじさんが満足そうに笑顔を向けてくる。

俺も晴れ晴れしい気持ちで笑顔を返した。

「ちょっと待って!もう一度詳しく教えて

くださーい!」

会場から記者達がどっと溢れ出して来る。

車に乗り込むとおじさんは急いで車を出し

た。

「ええーっ!?嘘だろ。もうネットニュース

になってる」

「まあ~それだけお前が世間から注目浴び

てたって事だろ。あっはっはっは」

「豪快に笑うなよ」


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