極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~
特別なゲスト
「元気そうでよかった」
シャンパンを片手にした紘平は、どこかゆったりとした余裕をまとっていた。
けれど、あのころの爽やかさはそのままだ。
大学時代もついこんなふうに見とれていて、よく成美にからかわれた。
今は仕事中なんだ、と心によく言い聞かせる。
「そうだ、よかったらお勧めのレストランを案内してくれるか」
「はい、和食、フレンチ、イタリアン、中華……お好みはございますか」
近場の良さそうな場所は、優先的に予約が取れるような付き合いがある。
紘平の要求にすぐに応えようと、みのりはタブレットを開いた。
「……じゃあ、篠田の好きなとこで」
「え? 私の、ですか?」
「店の予約だけじゃくて、食事に付き合ってくれると助かる」
急な展開に心が乱れた。
「仕事仲間が到着するにはまだあるし、今夜は一人でご飯と思ってたけど……よかったら一緒に食事に行かないか」
「でも……」
「あ、何時まで仕事なの」
早番だったため、夕方にはあがる予定だった。その後も特に用事はない。
「せっかくだし、篠田と昔話でもして楽しく食事したい」
真っ直ぐな申し込み。
他意はないと分かりつつも、ドキドキせずにはいられない。