極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~
「はい、私でよければお付き合いします」
「さすが、このホテルはコンシェルジュも一流だな。かつての先輩の無茶な誘いにも応えてくれる」
からかうように笑う紘平に、みのりの頬がほんのり熱くなる。
誘いにこたえたのは、紘平だからだ。
「普通はお客様に、こんなふうに付き合ったりしませんよ」
「じゃ俺は、特別だ」紘平が口端でくすっと笑う。
図星を突かれてどきっとした。
そう、先輩は私にとって特別なお客様です。
言いかけた時、紘平の薬指に指輪が見えた。
左に光るそれが何を意味しているかは、もちろんわかっている。
食事に行って、近況報告するだけ。それだけだ。
そう自分に言い聞かせていたけれど、紘平の微笑にすっかり心乱されていた。