極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~


「はい、私でよければお付き合いします」


「さすが、このホテルはコンシェルジュも一流だな。かつての先輩の無茶な誘いにも応えてくれる」
 
 からかうように笑う紘平に、みのりの頬がほんのり熱くなる。
 
 誘いにこたえたのは、紘平だからだ。


「普通はお客様に、こんなふうに付き合ったりしませんよ」

「じゃ俺は、特別だ」紘平が口端でくすっと笑う。
 

 図星を突かれてどきっとした。
 
 そう、先輩は私にとって特別なお客様です。
 

 言いかけた時、紘平の薬指に指輪が見えた。

 左に光るそれが何を意味しているかは、もちろんわかっている。
 

 食事に行って、近況報告するだけ。それだけだ。
 

 そう自分に言い聞かせていたけれど、紘平の微笑にすっかり心乱されていた。
< 11 / 93 >

この作品をシェア

pagetop