極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~
生意気な部下
「仕事してると思ったら」
食事を終えてホテルに戻ると、フロントでチェックイン手続きを終えた男性が、笑みを浮かべてみのりたちの元へ近付いて来た。
細身の体にフィットした質のいいスーツを着た男性。
一見どこかの読者モデルのような雰囲気だ。
顔立ちは甘いけれど、どこかに危険な香りをまとっている。
こちらへ歩いて来る間、フロントフロアにいた女性たちの視線を集めていた。
「タイミング悪いとこに戻ったな……」
その男性の顔を見るや、紘平は苦笑を浮かべる。
「デートのために早めに来てたんですか、伊崎さん」
紘平とみのりを交互に見る彼の目は、楽し気に光っている。
まるでからかう対象を見つけて喜ぶ少年のようだ。
「うるさい、司」
司と呼ばれた男性は、みのりに会釈をする。
「初めまして。伊崎さんの部下の相沢司です」
握手を求められ、手を差し出すと思いのほか強く握られた。
「このホテルのコンシェルジュをしております、篠田みのりと申します。よろしくお願いいたします」
すると司はじっとみのりの顔を見つめ。
「ふーん、コンシェルジュさんが美人でラッキー」
「え?」