極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~


「謝ることない」
「は、はい」
「心強いよ、ありがとな」


 目を細めた笑顔がみのりの心をわしづかみにする。
 
 あの頃と変わらない優しい微笑みだった。

「じゃあ俺、部屋に戻るな」
「はい……」

「今日は付き合ってくれてありがとう、また食事付き合ってくれ」

「私こそ、ごちそうさまでした。その……すごく楽しかったです」
 
 そう言うと紘平は甘い笑みを浮かべたまま、スイートへ戻っていった。
 

 その後ろ姿に見とれていると、


「マジなの?」
「えっっ」

 すぐ背後から声がして振り向くと、チェックインを済ませた司が立っていた。

「伊崎さんにマジなの?」

「何のことですか」

「いや、本気で好きなのかなって」
 
 司は淡々と続ける。

「えっ、すす好きって……」
「篠田さん、わかりやす」

 また動揺し少し後ずさるみのりを見て司は軽く笑った。

「顔もいいし、優しいし、頭もキレるし、金持ってるし、そりゃ誰だって惚れますよね」
 
 わかる、と腕組みして司は頷いた。

「俺が女だったら逃さない物件だ」
「ぶ……物件て…」

 からかい口調で言われ、返答に困っていると。


「しかし伊崎さんが、ここまで堂々とデートするなんて珍しいな」


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