極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~


「え…メモ見たんですか?」

「だめじゃん、ラブレターには、ちゃんと封しとかなきゃ」

 当然見ちゃう、と司はこくりと頷いた。


「…来ました。伊崎先輩に会いに来たって…」

「で、どういう関係か想像して、篠田さんは落ち込んでる」

「……」

「当たった」

 クイズでも解くように司はすらすらと喋る。

 心を見抜かれたみのりは、それ以上何も言えなくなった。


「となると、俺の出番かなって」

「は…何言ってるんですか」

 眉を寄せると、司は静かにみのりの顎を持ち上げた。

「…っ」


「俺はね、無駄なことは省きたい」

「な……」

 司の言葉と視線は、心を射抜く。


「伊崎さんには、ユリナさんが登場しちゃったし。この前から言ってるけど、俺は篠田さんのこと好みだし」

 淡々と告げながら、司の唇が近づいた。

「つ…司さんっ」

「篠田さんは、俺にすればいい」

 完全に利己的な台詞、女性によってはこの強引な態度におちてしまうだろう。


「わ…私は…っ」

 司の顔が近づく。

 思わずぎゅっと目を閉じた。


 その時。




< 73 / 93 >

この作品をシェア

pagetop