極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~
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エグゼクティブラウンジで待つユリナは、落ち着いた様子だった。
紘平に気付くと、ここよと手を挙げる。
「ユリナ」
「紘平、久しぶりね。やっと会えたわ」
「昨夜は悪かった、プレゼンの後打ち上げがあって…」
「いいのよ」
途中で遮るユリナは、せっかちなのか興味がないのか。
いずれにしても、自分の話が優先だという雰囲気だった。
「あら、あなたは…確かコンシェルジュさん」
「はい」
紘平に連れて来られたみのりは、背後から軽く会釈をする。
自分がいては、話がしづらいのではとみのりは心配になった。
「私、退席します」
「いいんだ、いてくれ」
紘平が止める。
するとユリナは、すっと目を細めてみのりを見つめた。
何かを勘付いたような顔。
そして見抜くような視線。
「あなた…もしかして、紘平と同じ大学にいってた?」
「はい、ひとつ下ですけど」
「陸上部?」
「はい」
「ああ、なるほど…」
ユリナは、みのりと紘平を交互に見つめた。
みのりは落ち着かない気持ちになる。
「彼女の品定めはいいから」
紘平は間に入るようにして言った。
「俺に何か話があるんじゃないのか」
ええ、とユリナは頷くと、左手を紘平の前に出した。
「これよ」
その薬指には、豪華なリングが光っている。
「わかるでしょ」