極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~
聞いていたみのりは、切なさに唇を噛んだ。
ユリナの気持ちもわかる、そして紘平の悔しさも伝わる。
しかし今、自分のために、その約束を紘平は破ってしまった。
「ごめんなさい…」
「なんで篠田が謝るんだ」
「そんな大切な約束があると思わずに…私こそ安易に嫉妬していました」
「薬指に指輪をはめてたら、誰だってそう思う」
紘平は小さく笑い、みのりの頭を撫でた。
「俺もすぐ話さなかったのも悪かった」
ジャケットのポケットから指輪を取り出した。
「ユリナが来たって聞いて…もう外していいか聞くつもりだった」
「でも…」
それは紘平の判断ではできないのでは、と言いかけた時だった。
「──ちょうどよかった」
高く、チャペル無いに響く声。
みのりたちが振り向くと、入り口にユリナが立っていた。