極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~
チャペルに現れたユリナは、強気な笑みを浮かべ、実りたちの元へ歩いて来る。
「ユリナ…」
「私をほっといて、他の女を追いかけるなんて、昔なら殺していたところだわ」
目は笑っているが、冗談か本気かわからない言葉。
「あなたのことは、紘平から聞いてたわ。付き合い始めの頃、過去に好きになった人がいてずっと忘れられなかった、て」
みのりは緊張して立ち上がる。
「陸上部の後輩だった、て聞いてたからさっきピンときたわ」
驚いたみのりは、紘平を見上げた。
紘平は少し困ったように眉を下げた。
「私が紘平に会いに来たのは、これを渡すためよ」
ユリナはバッグから白い封筒を差し出し、紘平に渡した。
受け取った紘平は、静かにそれを開く。
「これ…」
「結婚式の招待状」
「え…」
みのりは驚いてそれを覗き込む。
「やだ、勘違いしないで。いくらずっと紘平とフィアンセだったからって、勝手に結婚式を決めたりしないわよ」
ユリナは目を細めた。
その表情は明るく、かつて暗く病に悩んでいたのは、もう過去なのだと悟る。
「私、結婚する」
真っ直ぐに紘平を見つめてユリナは言った。
「これは、その相手からもらったちがう婚約指輪よ」
ユリナは左手を見せた。