極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~
「そうか…」
「だからもう、紘平のことは解放してあげる」
紘平は少し間をおいて、ユリナをしっかりと見つめた。
「嬉しいでしょ?」
ユリナの笑顔には新しい決意が見られた。
紘平は穏やかに微笑む。
「おめでとう」
優し気な笑みには、紘平なりの愛情が込められていた。
「ありがとう、紘平。ずっと約束守ってくれて」
最後に素直な顔を見せたユリナは、背伸びをして、紘平の頬に軽くキスをした。
「ずっと好きだったわ、紘平も、幸せになってね」
ユリナはみのりにも笑顔を向け、ゆっくりと背を向けた。
幸せな未来を手に入れた花嫁の後ろ姿は、とても綺麗だとみのりは思った。
2人チャペルに残され、しばらく扉を見つめていた。
「先輩…寂しいですか?」
「ん、どうして」
「ずっと会ってなかったとはいえ、フィアンセだったユリナさんがお嫁に行くことになったから…」
みのりは、紘平の気持ちを汲もうとしている。
すると紘平はみのりに向き合い、両手で頬を包んだ。
「せんぱ…」
驚いて顔を上げると、紘平が穏やかにみのりを見つめる。
「寂しい、といったら篠田が慰めてくれるのか」
「それは…」
返事を告げる前に、塞がれる唇。
驚いて目を見開いたみのりを見て、紘平はくすくすと笑んだ。