極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~
あなただけのコンシェルジュ
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一か月後。
白い手袋をはめたドアマンが扉を開ける。
入って来た外国からの家族連れは、ロビーに飾られたツリーに歓声をあげた。
みのりは立ち上がり、家族を迎え入れる準備をする。
これから起こる出会いに期待する家族の顔。
みのりはこの瞬間が一番好きだ。
この笑顔を満足に変えたい。
「よい一日を」
チェックインと、夕食の手配を終えてみのりは客を送り出す。
ほどなくして、手元の電話が鳴った。
「はい、コンシェルジュデスクです」
「もしもし、ルームサービスをお願いします」
聞きなれた声に顔が綻ぶ。
スイートルームのランプが点灯していた。