極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~


 ■

 オーダーされたワインと共に、スイートルームをノックする。

 ドアがすぐに開いて、常連客が顔を出した。



「お待たせしました」

「待ってた」

 いつも通りの言葉。


 紘平は嬉しそうに微笑む。

 みのりの手を引くと、素早くドアを閉めて中へと誘う。



「やっと休みが取れた」

「お疲れ様です」

 エントランスで抱きしめられ、みのりは幸せそうに笑んだ。


 多忙な彼が、効率よくデート出来るからと、紘平は休みになるとスイートルームに予約を入れた。
 
 そのたびに、スタッフは

「篠田さんのお客様よ」とからかった。




「ご注文のもの、お持ちしました」

「なんだ、ずいぶん他人行儀だな」

「仕事中なので」

 本当はすぐにでも、紘平と2人きりで甘い時間を過ごしたい。


「やっぱり、みのりを俺専用のコンシェルジュにするべきか…」

 紘平は半分本気だというように、みのりを見つめる。

 みのりはくすっと笑って、紘平を見つめ返した。


「それならとっくに、私は先輩のものです」

「…またその呼び方」

「あ…」

 みのりは、はたと気付いて口元を抑える。



 その時、インカムに連絡が入った。


「すみません、フロントに呼ばれました」


「だめだ」



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