極上スイートキス~イケメンCEOと秘密のコンシェルジュ~
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オーダーされたワインと共に、スイートルームをノックする。
ドアがすぐに開いて、常連客が顔を出した。
「お待たせしました」
「待ってた」
いつも通りの言葉。
紘平は嬉しそうに微笑む。
みのりの手を引くと、素早くドアを閉めて中へと誘う。
「やっと休みが取れた」
「お疲れ様です」
エントランスで抱きしめられ、みのりは幸せそうに笑んだ。
多忙な彼が、効率よくデート出来るからと、紘平は休みになるとスイートルームに予約を入れた。
そのたびに、スタッフは
「篠田さんのお客様よ」とからかった。
「ご注文のもの、お持ちしました」
「なんだ、ずいぶん他人行儀だな」
「仕事中なので」
本当はすぐにでも、紘平と2人きりで甘い時間を過ごしたい。
「やっぱり、みのりを俺専用のコンシェルジュにするべきか…」
紘平は半分本気だというように、みのりを見つめる。
みのりはくすっと笑って、紘平を見つめ返した。
「それならとっくに、私は先輩のものです」
「…またその呼び方」
「あ…」
みのりは、はたと気付いて口元を抑える。
その時、インカムに連絡が入った。
「すみません、フロントに呼ばれました」
「だめだ」