bittersweet
「琴美~!こっちこっち」

待ち合わせ場所の駅前広場には久美と知らない女の子2人

そして久美の彼氏のサトルくんの他に男の子3人

4対4の合コンらしい。

「この子私の高校んときの友達の琴美。でこっちは大学の友達のミサキとナナコ。男子の方は後で追々ね」

「よろしくぅ」と手早く久美の友達の女の子とあいさつを交わす。

女の子はファッション雑誌から出てきたようなおしゃれをばっちりしてた。

某ショッピングセンターで買ったシャツブラウスにジーパンの私は明らかに浮いてる。合コンだって前もって知ってれば多少おしゃれしてきたのに。

まぁいいけどさ。

男の子のメンバーを見ると人一倍人目を引く彼がいた。

足が高く少し切れ長気味の目。なんだか人目を引く。モデルみたい。

でもすかしてるってわけでもなくて他の男の子と笑いあってるところを見ると普通の今風の大学生という感じ。

この間三島珈琲でぶつかった男の人に似てるな。いやあの時ちゃんと顔見たわけじゃなかったから別人かもしれない。

とてもあんな寂れた珈琲屋でぼーっとするタイプには見えないしやっぱり別人か。

ミサキとナナコも「あの人かっこいいね」とひそひそ言っている。

みんな若いよな・・・。同じような歳の彼らを見て他人事のように思う。大学生ってなんだかキラキラしてる。青春を謳歌してるんだろうな。

どっちにしても私には別世界だけど。

ぞろぞろと移動する7人の後に私はのろのろとついて行った。

どこにでもあるチェーン居酒屋の座敷で久美とサトルくんはさっそく仕切り始めてた。

「私と琴美はこっち。ミサキとナナコはあっち側。その間に男子が交互に座って」

なんだか一番奥側に押し込められる。まぁこれなら1人でジュース飲んでてもそんなに浮かないか。

なんとなく居心地の悪さを感じてると隣に誰かが座った。
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