昨日 見上げた空
【境内-ベンチ】

ベンチに座っている 紅美と⭕️⭕️。
たこ焼きを手に戻ってくる 楠木が見えると、⭕️⭕️は、お尻で紅美を押して自分の横に スペースをつくった。

「どーぞ」

「ありがとうございます」

⭕️⭕️が 嬉しそうに受け取った。
紅美は、“えっ“っと言う表情で⭕️⭕️を見た。

「プロのカメラマンって初めて遭遇しました!」

笑う 楠木。

「雑誌とか新聞に載ったりしてるんですか?」

「 まぁ、いつかはね」

「へー!スゴいですねー!」

ぐいぐい話しかける⭕️⭕️の横で 紅美は
空を見上げていた。
楠木は ⭕️⭕️越しに 紅美の横顔を見ていた。

ドォ~ンと言う音がして、夜のとばりに包まれた空に 大きな花火がひろがった。

「あっ、花火」

紅美が 呟いた。

ドォ~ン ドォ~ンと音が身体に響き、いくつもの花火が打ち上がった。

⭕️⭕️も 空を見上げた。
楠木は、紅美の花火を見上げてる横顔にカメラを向けて シャッターを切った。
花火の音に
シャッター音はかきけされ ⭕️⭕️も紅美も 気がつかなかった。

「じゃ、行くね」

そう言って 楠木は立ち上がった。

「一緒にみてくれないんですか?!」

⭕️⭕️が楠木を見上げながら言った。

「写真撮らないと、、花火終わらないうちに(笑)、、、じゃ」

楠木は 二人に向かって、右手を軽く上げた。
紅美は、小さく手をふった。
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