只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜

求婚とお誘い

社長室に連れられて行くと、悠哉の秘書は廊下で別々になった。

今社長室には悠哉と美羽の2人きり。

「急にごめんね、柊木さん」
「い、いえ…」

美羽は状況が理解できないでいた。

当たり前だ。

美羽は悠哉と二度目があっただけで、まともに話したこともないのだから。

「それで、さっき皆の前で言ったことなんだけど。返事は今じゃなくてもいいから考えてくれないかな?」

美羽は相手を知らないままで断るということはしない。

悠哉は下手に出る。

美羽は緊張しながらも口を開いた。

「私も…。私も社長もまだ互いのことを良く知らないだろうし、私は相手を理解しないままなのは嫌ですから。」

頭の中で整理ができていない美羽は、話しながらまとめようとした。

「ですから、えーっと…」

美羽は思考を限界まで巡らせる。

オーバーヒートしそうになったところで、悠哉から助け舟が出された。

「じゃあ、今はお友達から…ということでいい、かな?」

恥ずかしくて悠哉の顔が見れない美羽は俯き頷いた。

「良かった…」

悠哉の声のトーンが少し上がった。

それから少し話をして美羽は社長室を出た。

社長室のドアを開けると、目の前に悠哉の秘書が立っていた。

「社内は私が案内いたします。申し遅れました、社長秘書の間狩と申します。では、ついて来てください」

それ以上の会話はなく、美羽は只々間狩の後ろをついて歩いた。

「ここが貴方の部署になります。分からないことがありましたら窓側の席にいる方に聞いてください」

間狩は一礼して去って行った。

他の人は挨拶が終わっているのか仕事を始めていた。

美羽は窓側の席にいる部署の一番偉い人に挨拶に行った。

「遅くなり申し訳ありません。新入社員の柊木美羽と申します」

美羽は少し深めに頭を下げる。

「ああ、いいんだよ。社長からの呼び出しだったんだから。僕は三ツ谷義春。これからよろしくね」
「はい!」

席を指定されその場所に行くと隣に桃歌がいた。

「お疲れ様、美羽」
「うん、桃歌。仕事って何?」
「ああ、預かっておいたから渡すね。これが美羽の分。やり方は…」

桃歌はもう既に慣れたようだった。

少しだけやり方を聞き、美羽は桃歌に渡されたものを片していく。

午前中が終わる頃にはもう半分以上を終わらせていた。
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