只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
お昼の鐘がなり、美羽は桃歌と話していた。

「…やっぱり簡単でしたか、美羽殿」
「そう言う桃歌殿だってもうすぐで終わるじゃありませんか」

2人の集中力は人並み以上で大学の時も先生方が評価していた。

2人と同じ部署の同僚たちは美羽と桃歌の仕事の減りに驚きを隠せなかった。

「すごいね、中田さんと柊木さん。もう仕事覚えたの?」
「いやいや、笠崎さんも早いですよ」

桃歌は寄ってきた男の同僚に答える。

桃歌に笠崎と呼ばれた同僚は照れている様だった。

「俺なんてそこまでじゃないよ。一番すごいのはやっぱり柊木さんだよ、遅れてきたのにもう少しで終わりそうだし…」
「ううん、桃歌の教え方が良かっただけだよ」

3人が和気藹々と話していると、

「笠崎くん、中田さん…それと柊木さんもご飯一緒に行かない?」

後ろから団体の中心にいるであろう女の人から声をかけられた。

「俺はいいけど、2人はどうする?」

笠崎が美羽と桃歌に振り向く。

「私は遠慮するよ、桃歌行っといで」
「美羽が行かないなら私も遠慮する」
「そっか、じゃあ行こう」

笠崎は団体に紛れて部署から出て行った。

「良かったの?桃歌」
「うん、それとあの人美羽をついで扱いしたから」

桃歌は大学時代と同じおにぎりを食べる。

美羽は自分で作ってきたお弁当を広げた。

1時になる5分前に皆戻ってきた。

自分のデスクに戻る前に笠崎は美羽と桃歌のデスクに来た。

「今日は歓迎会があるらしいから、また別の日に同期だけで親睦会やろうってなったんだけど…」

詳細が決まったら知らせると言って笠崎は自分のデスクに戻った。

「…人間関係恐ろしい」

桃歌がそう呟いたのを美羽は聞いていないことにした。
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