只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
午後も何とか仕事を終わらせる。

美羽は早くも部署内が気まずいと感じ始めていた。

ここ最近良く寝れた日がない。

美羽はふらふらしながら会社を出た。

美羽が帰る後ろ姿を偶然悠哉は見つけた。

「柊木さん、お疲れ…っ!?」

悠哉の前で美羽は倒れた。

悠哉は倒れた美羽を抱き起す。

目の下のクマが以前よりもひどいことに気が付いた。

遅れて出てきたのは間狩響輝だった。

「響輝!救急車!!!」
「あ、ああ…」

響輝は悠哉に言われて電話する。

美羽は救急病院に搬送された。

「睡眠不足、過度なストレスに過労…」

他にも医師は言っていく。

「一週間の検査入院を…。」

悠哉は手続きを代わりにする。

響輝は顔色が悪い美羽の顔を見てため息をついた。

悠哉は手続きを済ませると、戻って来た。

「響輝、頼みたいことがある…」

響輝は分かっていたようで、スムーズに事を進めていった。

美羽は運ばれて三日三晩眠っていた。

響輝は言われる前に会社に連絡を取る。

親友である桃歌にも伝えようとしたが、響輝は美羽の上司に伝えるだけにした。

「貴方は馬鹿なんですか」

美羽が目覚めての響輝の第一声。

美羽は反省しているようでしょぼくれていた。

悠哉は会社に行っている。

当たり前だ。

「詳細は退院したら教えますが、今は回復に専念してください。…説教付きでお教えしますよ」

響輝は黒い笑みを浮かべる。

美羽は響輝に一番気になってることを聞いた。

「あの、桃歌には…」
「伝えていませんよ、ですがあまり拗らせないでいただきたいものです」

響輝はそう言ってその日は帰って行った。

翌日には夕方頃に義春が来た。

「柊木さん、大丈夫ですか?」
「はい、少しずつ回復はしています」

義春は美羽にお見舞いのお花を渡した。

「一人であまり抱え込まないでね」

優しい声なのにどこか怒りが込められていた。

「心配おかけしてすみません」
「見ていて不安になるよ。最近は同僚と早速決裂してるみたいだし」
「あ、はは…」

美羽は何とも言えなくて苦笑いを浮かべる。

「何かあったら言ってよ?一応上司だから頼ってくれて構わないんだよ」
「はい、ありがとうございます。」
「じゃあ、また会社でね」
「はい、ありがとうございました。」

義春は笑って帰って行った。

「原因、つきとめなきゃ」

美羽は意気込んでいた。

それがまた体の負担になったのか、入院が長引いた。
< 20 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop