只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
桃歌と美羽はまたつるむようになった。

桃歌は誘いを受けたり断ったり調整をしている。

美羽は相変わらず避けられていた。

「柊木さん、受付に来客だって」
「あ、分かりました」

義春に言われて美羽は受付に向かった。

エレベーターで受付に着くと、3人の人影。

「遅れてしまって申しわ…け…!?」

美羽の目の前に弟2人と悠哉がいた。

「あ、姉ちゃん!」
「美羽…」

美塁と美来美羽に駆け寄り、美羽の背後に隠れた。

「柊木さん、そちらの方々は?」
「あぁ、はい。弟です」

美羽は美塁と美来を自分の前に並ばせる。

「2人とも挨拶は?」
「…美塁です」
「美来です」

美塁は名乗るとまた美羽の後ろに隠れた。

「美羽、この人は?」

美来は目の前にいる人が気になるらしい。

「こちらはこの会社の社長、薙田悠哉さんだよ」
「こんにちは」

悠哉は営業スマイルで挨拶するが、

「「笑顔が偽物」」

双子に一発で見破られてしまった。

美来は何も言わないが、美塁は何故か敵視しているようだった。

「ところで…何で美塁と美来がここに?」

美羽は肝心なことを聞くのを忘れていた。

美羽の質問に美来が答える。

「明日、帰るって父さんに連絡したら…」
「姉ちゃんが勤務してる会社見て来いって言われた」

途中で機嫌が悪そうな美塁が口を挟んだ。

そして2人は美羽に言われて帰って行った。

「社長、すみません。家の弟が…」

美羽は申し訳なさそうに言う。

「いいや、大丈夫だ。それより仕事の途中ですまなかった」
「いいえ…」

美羽と悠哉の間に沈黙が流れる。

「社長は今出勤ですか?」
「ああ、近頃忙しくてな…。体調のほうは大丈夫か?」

そう言われて美羽はまだお礼を言っていなかったことに気が付く。

「あ、あの時は本当にお世話になりました。最近は睡眠も良く取れてます」
「ああ、ならよかった。くれぐれも無理しないように!」

悠哉は念を押す。

悠哉は社長室に向かい、ロビーには美羽だけになった。

「後できちんとメールしよ…」

美羽はそう呟き部署に戻って行った。
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